多鯰ヶ池

  
鳥取砂丘にきなんせ

☆多鯰ヶ池・お種伝説☆

 
 

多鯰ヶ池〜お種伝説〜



ここでは、鳥取砂丘の近くにある、お種伝説のある多鯰ヶ池について

ご紹介したいと思います。                            



 
   ■ 多鯰ヶ池・・・多鯰ヶ池は、砂丘の南側にある、かつては

 日本海ともつながっていた堰止湖です。周囲約3キロメートルの

 小さな湖ながら、深さは山陰随一で、宍道湖などをはるかにしのぐ、

 17.3メートルもあります。
    
   弁天さんが祀られているこの辺りには、かつて蛇の化身であった

 美女が身を沈めたという悲しい「お種伝説」が残っており、神秘的な

 雰囲気を漂わせています。





   ■ お種伝説・・・昔、宮ノ下(鳥取市国府町)に伊藤土屋という

 長者がすんでいました。
    
  この長者の家に細川(鳥取市福部町)からお種という女中が住み

 込んでいました。この家には、大勢の女中や下男が奉公していて、

 夜になると、食べ物の話に花を咲かせていました。
    
   ある秋の夜、お種がどこからか、とても甘い柿を持ってきました。

 みなは口々に「うまい、うまい」といって食べたが、食べ終わると

 「お種さん。こんな甘い柿を、いったいどこからとってくるんだいな」

 とたずねました。
  
   しかし、お種は何も言わず、そのあくる日も、またそのあくる日も、

 甘い柿を持って帰りました。
   
   そこである日、下男が三人、お種の後を見え隠れにつけていきま

 した。お種はスタスタと浜坂砂丘を歩いて、池端にたどりつきました。
    
   下男たちが木かげで見ていると、お種はヘビになって池を泳ぎ、
 
 中ノ島の柿の木にスルスルとのぼりました。

   そこには、赤く熟した柿が鈴なりに実っていました。お種は、この

 柿をとっていたのです。しかし、自分の正体を見られたお種は、

 それきり長者の家には帰って来ず、そのまま多鯰ヶ池の主になって

 しまったと伝えられています。
    
   なお、砂丘センターへ登る坂道の登り口から左に数十メートル歩

 くと、お種の姿を形どった砂の彫刻がかざられています。時期に

 よってはライトアップされ、とても神秘的な彫刻となっています。
    




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